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LUNKHEADのツアー・ファイナル

LUNKHEAD、アルバム『[vivo]』のレコ発ツアー〈ビ〜ヴォップハイスクール〉のファイナルとなったリキッドルーム。素晴らしいライヴだった。バンドが成長していくこととはこういうことなんだと思った。

アルバムを出すごとに、彼らはどんどん余計なものを削ぎ落としていった。特にここ最近の作品はそうだ。現実と壁にぶつかっていく中で、バンドをやる意味、を否応なく見つめ直すことになった。その意識の高まりは、オリジナルメンバーの脱退という現実にもつながっていった。それでもバンドを続けることを決めた彼らは、直面した現実に抗って、とにかくやるしかなかった。ここに自分が存在する意味があることを証明するために。

そうやって必死に足掻く姿が良かった。カッコよくはない。泥臭いけどそれがいい。そんな小高の感情を、3人の演奏がしっかり支えている。新作だけではなく、久々に聴いた「グッド・バイ」も深みを増していた。「ゲノム」の前のMCで、小高は〈俺らは、人と生きて行くのがこんなに素晴らしい、なんて胸張って言える人間じゃない〉と言っていたが、そんな彼らが唄うからこそ響く言葉がある。その言葉に音楽に、救われる瞬間がある。この日、この会場に集まった人たちはその感覚を共有していた。誰よりも小高のことを知り、LUNKHEADのことを理解していた。そしてステージの彼らもまた、ここにいるひとりひとりの思いを受け止めていた。そんな確かな思いをお互いが手にしたことが、このツアーの大きな収穫だったのだ。

アンコールで披露した新曲の「明日」。そこには希望が描かれていた。小高が言っていたように、あしたは明るい日と書く。きっと彼らは、この日手にした繋がりをずっと信じて、諦めずにずっと続けていくのだろう。そしてそれは確かな結果となって現れるはずだ。この日のライヴを観てそう確信した。(金光)

LUNKHEAD TOUR2011 「ビーヴォップハイスクール」

2011.07.10 リキッドルームebisu  SET LIST

1 .狂った朝
2 .月光少年
3 .シューゲイザー
4 .無限光(新曲)
5.密室
6.グッド・バイ
7.風の作り方を知っているか
8.泥日
9.誰も知らない
10.零時
11.トット
12.サイダー
13.ゲノム
14.シンドローム
15.インディゴ
16.螺旋
17.百日紅
18.何も怖くなどなかった

encore
1.明日(新曲)
2.僕らのうた
3.スモールワールド

4.カナリアボックス

編集スタッフ

金光裕史

樋口靖幸

平林道子

竹内陽香

小高朋子