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MERRYのライヴを観て思ったこと


先週の土曜日、渋谷クラブクアトロでMERRYのライヴを観ました。

それがあまりにも衝撃的なライヴだったんで、ここに書いておこうかと。

移籍第一弾シングル「The Cry Against…/モノクローム」発売直後っていうこともあり、新たな門出みたいな意味合いも含まれたんだと思うけど……とにかく壮絶でした。なんていうか、決起集会? や、そんな軽いノリじゃないな。うーん……うまいこと言い当てられないけど、死を覚悟して、その覚悟した気持ちの強さでとことん生き抜いてやる、的な、まるで戦地へ向かう兵士のような、尋常じゃない思い詰めた感情が、そのまま爆発したライヴ。つまり、すごい追い詰められてるような、そんな感じ。

でも前半は気合い入り過ぎたのかけっこう空回りしっぱなし。正直観ていて「こんなもんか」って思ったりもした。それが後半、「カナリア」あたりかな、ガラくん筆頭にメンバーのテンションと音が塊になった瞬間があって、そこからはもうカオス一辺倒。みんなこのままぶっ倒れて死ぬんじゃね?みたいな修羅場の空間と化してた。

親友の死とか、特別な感情が彼らをいつも以上に突き動かしていたところも強かったとは思う。でもそれだけじゃない、「ここから俺たちは死ぬ気で生きる」とでも言わんばかりの、つまりバンドを続けてくことに対する決死の覚悟が、壮絶な空間を生んでいたんだと思う。

今までも必死にやってきただろうし、だからこそ今があるわけだけど、そんなレベルじゃない、もっともっと〈生きる〉ってことに必死になってる。そう決めたバンドが鳴らす音は、生温いビールを飲みながら週末気分でライヴを観てた俺をメッタ斬りにしてくれた。「僕ら、形から入るところがあって」とガラくんはインタビューで自分らのことを語っていたけど、彼らはこの日、そういうヌルい自分と完全に決別したと思う。

今、絶対に彼らのライヴは観ておいたほうがいいっすよ。必死に生きるってことがどういうことなのか、身を以て彼らが証明してくれます。

(樋口)

セットリスト
2010.08.07 SHIBUYA CLUB QUATTRO
CORE LIMITED GIGS 2010 #1
~「東京Decadence」~
2010.08.07 sat SHIBUYA CLUB QUATTRO
M01 The Cry Against…
M02 スカル
M03 センチメンタル・ニューポップ
M04 溺愛の水槽
M05 月食
M06 PLTC
M07 不均衡キネマ
M08 Shambara
M09 カナリア
M10 SCHWEIN(仮)
M11 [human farm]
M12 Friction XXXX
M13 妄想randez-vous
M14 ジャパニーズモダニスト
M15 モノクローム

EN1 さよなら雨(レイン)~リバース~
EN2 窓
EN3 愛国弐~BURST~
EN4 オリエンタルBLサーカス
EN5 Midnight Shangrila
EN6 Fleeting Prayer
EN7 バイオレットハレンチ

Photograph by Rie S.@MAXPHOTO

編集スタッフ

金光裕史

樋口靖幸

平林道子

竹内陽香

小高朋子